ゲスト 長崎県平戸市生月町博物館•島の館 館長 中園成生氏

2024/03/29(金)
ゲスト
長崎県平戸市生月町博物館•島の館 館長
中園成生氏

九州の西の端にある生月町は、浜では捕鯨が盛んに行われ、農村集落では隠れキリシタンの信仰が行われていた地。

江戸時代から明治後期まで、生月島を本拠地とした益冨組が日本最大規模の鯨組として活躍していました。その益冨家が、天保3年(1832)に制作した『鯨肉調味方』は、日本最初の鯨料理専門書で鯨肉の70種程の部位ごとの調理方法が記されているとのこと。この中から「煎り焼き」(すき焼きのような料理とのこと)や百尋の食べ方もご紹介いただきました。

また生月島のキリシタン信仰は戦国時代に広まりましたが、平戸藩ではいち早く禁教令を出していました。江戸初期の禁教の時代以降は、仏教や神道を受け入れながらキリシタンの信仰も続け「かくれキリシタン信仰」の形で続いていたそうです。
平戸市生月町博物館•島の館は、平戸島の生月島にあり、捕鯨のジオラマ・隠れキリシタンの信仰の道具や映像等を紹介しています。中園氏は1995年の設立準備から学芸員として活躍し、2023年4月館長に就任されました。氏の著書に『日本捕鯨史概説』があります。