【オンライン浪漫紀行】かごしま歴史散歩〜薩摩藩の寒天とフカヒレ事情〜

2024/04/21(日)
ゲスト
志學館大学教授
NHK大河ドラマ歴史考証家
原口泉氏

原口氏は1979年に鹿児島大学に赴任し、7年目から「鹿児島歴史散歩」の番組制作に携わっていました。この番組を本にしたのが、名著「鹿児島歴史散歩」であり、38年経った今、奄美沖縄編を8篇加え、復刊されました。今回は初版より「対外貿易でどのように薩摩藩は儲けていたのか」をお話しいただきました。

薩摩藩は現在の総合商社の様に、フカヒレ、干し鮑、金子(きんこ)、昆布、干しエビ、鰹節、椎茸、寒天、樟脳(しょうのう)などの海産物を中国に輸出をしていたと言います。薩摩半島の長島(ながしま)、阿久根(あくね)、串木野(くしきの)、大隅半島の志布志(しぶし)等が、中国料理に欠かせないフカヒレ、干し鮑、海鼠の産地でした。海鼠池(なまこいけ)では、二代目薩摩藩主島津光久がいた当時、海鼠が肉眼で見えるほど沢山いたと言われています。薩摩藩では、干した海産物を長崎を介さず琉球王国(沖縄)から中国に輸出しており、結果として、幕府の長崎会所に打撃を与えました。

その他、宮沢県山之口町で撮影した番組「薩摩藩寒天を密造する」のお話、甑島(こしきじま)にある有名な天まで届く段々畑についても詳しく解説していただきました。