大船渡市の宝「気仙丸」—受け継がれる職人技と地域の思い
岩手県大船渡市は、美しいリアス式海岸や豊かな海の幸が魅力の町です。ここには、伝統的な木造船「気仙丸(けせんまる)」があり、多くの人々に親しまれています。今回は観光ガイドの佐藤公精氏に、大船渡市と気仙丸についてお話を伺いました。
地元ガイドが語る大船渡の魅力
佐藤さんは長年観光業に携わり、現在は地元の魅力を伝えるガイドとして活動しています。大船渡市は宮古市や釜石市の南に位置しており、漁業が盛んな地域です。震災からの復興も進み、観光地としても注目されています。
気仙丸の誕生と未来への受け継ぎ
気仙丸は1992年の「三陸・海の博覧会」に向けて、気仙船匠会が伝統技術を活かして建造した木造船です。棟梁の新沼留之進さんが指揮をとり、伝統的な和船として誕生しました。
博覧会終了後、大船渡商工会議所が中心となり保存・管理を続けています。2011年の東日本大震災では無事でしたが、修復が必要となり2021年に補修が行われました。その後、陸上展示され、誰でも見学できるようになっているそうです。
歴史が息づく気仙丸の魅力
気仙丸は、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」や「菜の花の沖」にも登場した歴史ある船です。精巧な彫刻や船の構造など、職人技の素晴らしさを間近で見ることができます。
また、佐藤さんは「もっと多くの人に気仙丸を知ってほしい」と話します。特に地元の子どもたちが歴史や技術を学ぶ場としても活用されており、学生がガイドを務める取り組みも考えられています。
気仙丸を未来へつなぐ取り組み
大船渡市では、気仙丸を活用した観光振興が進められています。2024年10月からは、新たなワーキンググループが立ち上げられ、活用のための新たな企画が計画されています。全長18.7mの気仙丸の魅力をより多くの人に伝えるため、展示方法やガイドツアーの工夫が求められています。
「地域の誇りである気仙丸を、これからも守り伝えていきたい」と佐藤さん。日本の貴重な文化財として、次世代へと受け継がれていくことが期待されています。
まとめ
大船渡市には、美しい自然や海産物だけでなく、気仙丸のような歴史的な魅力もあります。地域の人々の思いによって守られてきた気仙丸を、ぜひ訪れてその壮大な姿と歴史を感じてみてください。
ゲストプロフィール
佐藤公精(さとう こうせい)氏
大船渡市の観光ガイド。長年観光業に携わり、現在は地元の魅力を伝える活動を続けている。
関連リンク
※写真は、千石船「気仙丸」公式ホームページより引用
