【オンライン浪漫紀行】佐渡金山が世界遺産に登録!その魅力を解説

2024/08/25(日)

2024年7月、佐渡金山が世界遺産に登録されました。佐渡金山は、長い歴史を持ち、日本の経済や文化に大きな影響を与えてきました。今回は、佐渡発酵株式会社の浜田正敏社長のお話をもとに、佐渡金山の魅力を分かりやすくご紹介します。

佐渡金山とは?

佐渡金山は、新潟県佐渡島にある金や銀の鉱山で、平安時代から採掘が行われていました。特に江戸時代には幕府の直轄領となり、日本の財政を支える重要な鉱山でした。今回世界遺産に登録されたのは以下の3つの鉱山です。

  • 西三川砂金山(にしみかわさきんざん): 佐渡最古の砂金山で、「大流し」という方法で砂金を採取していました。
  • 鶴子銀山(つるしぎんざん): 佐渡最大の銀山で、600ヵ所以上の採掘跡が残っています。
  • 相川金銀山(あいかわきんぎんざん): 江戸幕府の財政を支えた鉱山で、ここで作られた小判がヨーロッパとの交易にも使われました。

佐渡金山の技術と文化

佐渡金山では、採掘だけでなく、排水技術や製錬技術も発展しました。1696年には、総延長1キロの排水トンネルが完成し、採掘量が飛躍的に増えました。4ヵ所から掘り進めても誤差がほとんどなかったことから、当時の技術力の高さがうかがえます。

また、佐渡には能楽が根付いており、これは佐渡奉行の大久保長安が能楽の前身である猿楽を広めたことがきっかけでした。現在でも佐渡には34ヵ所の能楽堂が残っています。

世界遺産登録の理由

佐渡金山が世界遺産に登録された理由は、人の手による採掘の歴史的価値が評価されたからです。明治時代に入ると機械化が進みましたが、それ以前はすべて人力で採掘が行われていました。江戸時代までに掘られた坑道の総延長は400キロにも及び、これは相川から江戸までの距離とほぼ同じといわれています。

佐渡金山を体験!

現在、佐渡金山の一部は観光施設として公開されており、当時の奉行所の建物が再現されています。ここでは、金銀の選鉱作業の体験ができ、金銀山の歴史をより深く知ることができます。

また、「やわらぎ」と呼ばれる祈祷や、鉱石を焼くための「無名異焼(むみょういやき)」など、佐渡ならではの文化も発展しました。無名異焼は、無名異(むみょうい)という鉄分を多く含む粘土を使った陶器で、1200度もの高温で焼き締めることで耐久性が高まりました。現在も陶器として特産品となっており、茶器や食器として人気があります。

佐渡発酵株式会社の取り組み

浜田社長が代表を務める佐渡発酵株式会社では、昔ながらの製法を守りながら、日本酒や発酵食品を作っています。

現代の日本酒は、速醸(そくじょう)という方法で人工の乳酸を使って発酵させるのが一般的ですが、こちらでは「生酛(きもと)」「山廃(やまはい)」という自然発酵の製法を採用しています。

この発酵過程でアルコールを含まない「麹(こうじ)のおちち」という商品も開発されました。これは、飲むタイプとジャムのタイプがあり、オリゴ糖が豊富で腸内環境を整える効果が期待できます。

また、アルコール発酵したものは「どぶろく」として販売されており、乳酸発酵による爽やかな酸味が特徴です。どぶろくや甘酒は毎日少しずつ摂取することで健康効果も期待できるとのこと。

まとめ

佐渡金山は、金や銀を採掘するだけでなく、技術や文化の発展にも大きく貢献してきました。その歴史が評価され、世界遺産に登録されたことで、観光客も増加しています。

また、佐渡発酵株式会社のように、伝統を大切にしながら新しい商品を生み出す企業もあり、佐渡の魅力はさらに広がっています。

佐渡金山を訪れる際は、ぜひ歴史や文化、そして発酵食品の魅力にも触れてみてください!

ゲストプロフィール

浜田正敏(はまだ まさとし)

佐渡発酵株式会社 代表取締役社長。佐渡の伝統的な発酵技術を活かし、自然発酵の日本酒や発酵食品の開発を行っている。伝統の技術を守りながら、新しい視点で発酵文化を広めることに力を入れている。